EVER17 レビュー
05/10/11
EVER17レビューです。まだプレイしていない方は熟読しないほうがいいと思います。ネタバレの部分もありますし、
ネタバレ読んだ後にプレイすると勿体無いです。なので、興味があってまだ未プレイの方は、
是非プレイしてから読んでください。とにかく絶賛のゲームですので。
以下ネタバレありレビューです。核心的なネタバレには背景色と同じフォント色を使っています。
反転して見てください。
このあいだ、PS2のEVER17 PremiumEdition Super Lite 2000を購入しました。暇を使い続けてプレイ時間は約50時間
(かなりゆっくりやってこのプレイ時間)、ようやくクリアしました。
その感想なんですが、このゲーム、シナリオが最高に練られ過ぎです。完璧です。謎が解かれていくたびに鳥肌です。
確かにぶったまげた設定がいくつかありますが、全てはこのシナリオのため。
このストーリーはそんじょそこらの頭では書けないでしょう。張り巡らされた伏線は相当あります。
大きな伏線から、本当に些細な、それは頭の中に残さなくてもいいくらいの伏線。それは余さず最後に使ってくる。
さらには、この手のゲームの設定、プレイヤー=主人公視点という概念をあざ笑うかのようなトリック。
そしてこのストーリーに関わる17という数字の使い方。17m、51m、119m、17秒、119時間、17年、34年、
34種類のスパイス、34種類の指輪(スパイスと指輪は、かなり余談な所ですが)。
さらに、確認して驚いたのが2017年5月1日と2034年5月1日は、本当に全く同じ曜日、月曜日であること。
この事実を知ったときには涙が出ました。あまりの凄さに。ここまで様々なトリックを巧みに使い、
それを全て一本につむぎ合わせていく様は、ただ感嘆の溜息が漏れるのみです。
もちろん全てが納得の行く、ひとつの結末にまとまっています。
正直言って、一度のプレイでなく、もう一度プレイしたくなること請け合いです。
事実を、真実を全て知った上でプレイする魅力というものが、このゲームにはあります。
内容に関しては完全ネタバレになるので言及しませんが、恋愛アドベンチャーというのは、かなり建前です。
実際は謎解きストーリー。恋愛要素はあまり無いです。
今までそれほどこういったジャンルのゲームをプレイしてきたわけではないですが、
これほどまでにストーリーに凝ったゲームをプレイしたことは、今までもありませんでしたし、
多分今後も二度と無いでしょう。これまで、数多くのサイトで多々レビューが書かれていますが、
このEVER17の評価が低いサイトを見かけません。それは偏見無しに一般論としてレビューしているサイトに限り、
ですけどね。こういったゲームに求めるものが、エロなのか、恋愛なのか、ストーリーなのか、CGなのか、
声(CV)なのか、音楽なのか。この求めるところによって評価が変わるのは当然であり、
そして僕が求めているのはストーリーであるので、手放しで評価しているのです。
確かに哲学的な話や、論理的な話が随所に出てきて、それらに興味の無い人たちにとっては辟易する部分かもしれませんが、
それもストーリーのうちと理解します。僕はこの2次元やら3次元やらの話は、未だに全て理解したわけではないですが、
興味深い話を聞けたと満足しています。また、電波なキャラ設定や緊張感のない部分について言及されている方もいますが、
それはリアリティーを求めすぎるあまりのことではないかなと。あくまでゲームであり、現実とは違うもの、
そして製作者という第3視点がある限り、それは拭えないモノであるというのは、どのゲームにおいても言えると思います。
緊張感の無い部分についても、この事件が現実に起こったら、6日間もの間閉塞空間に閉じ込められ、
それも救助される確率ほぼ0の状態だったら、3日もしないうちにみんな発狂してます。
そこまで突き詰めてしまったら、そんなゲームしたくないですし、プレイヤーも気が滅入ってしまって、
長い時間をかけて、謎を解くまでやりこもうと思わないのではないかなと、僕は考えます。
ある意味あのノーテンキさがあるから、何も気にせずに長時間のプレイに没頭でき、
そしてダウナーな気分にさせない、少なくとも僕はそう思いました。
フルクリアしてもまだ若干の謎が残るのですが、それは脳内補完で上手くいくでしょう。
その謎の中でも特にヤミオニの缶の音、あの声。実はまだよく分かりません。
こういう謎を若干残したのも、もしかしたらストーリーの中に入ってるのかもしれません。
そうすると僕らプレイヤーは、完全にKIDさんに騙され、手のひらで転がされているわけですね。
故に、1,480円で買えたのは正直言って幸運です。このゲームをやって心底よかったです。
こうやってゲームのレビューを書くのは初めてですが、ここまでいろんなことが書けるのも凄いです。
自分で書いててもこんなに書きたいことがあったんだと驚きます。
というわけで今までで最長のダラダラ長文で、しかも無闇に個人主観の入った文にお付き合いくださいまして、
ありがとうございました。PS2持ってるなら、必ずやらなければいけないゲームでしたね。
人生の数%損しないで済みました笑。