kako


 

メディアミックスについて

06/08/13

最近漫画のドラマ化がかなり増えてきてます。今ふと思い浮かぶだけでも、 クロサギ、夜王、ごくせん、ドラゴン桜、ブラックジャックによろしく、レガッタ、Dr.コトー診療所とかとか。 で、ですよ、今度はめぞん一刻とのだめカンタービレです。めぞん一刻なんか、五代君役は一般人から募集ですよ。

伊東美咲の彼氏を一般人から募集!
(正直この見出しは狙いすぎでムカつくけど)


他にも映画化なんてのを含めれば、今期だけでもハチミツとクローバーやDEATH NOTE。 一体いくつあるか分かりません。
こういうパターンと言うのもひとつのメディアの流れとなって久しいですが、 これだけ数多くの漫画がドラマ化されると、原作ファンにとっては複雑な気持ちを発生させます。 その気持ちを発生させる最も重要な要素は、 脚本であり、演出であり、そしてキャスティングであり、その他全てです。 原作を如何に表現するか、簡単に言えば原作に忠実に表現して欲しいと望む原作ファンの期待に応えられるのか。

これです。


もともと長期にわたって連載されている漫画が原作の場合、 無理矢理13話という1クールのなかにその原作の内容を詰め込むのは基本的に不可能に近いです。 そうなった場合、どうすれば期待に云々の作品になるか、というのは、 監督を含め製作する人間の原作に対する愛が必要だと思うのです。
これはどんなメディアミックスの手法でも同じです。コミカライズ(漫画化すること)、 シネマライズ(映画化すること)、ドラマライズ(ドラマ化すること)、ノベライズ(小説化すること)など、 こうしたメディアミックス手法は今のご時勢では当たり前のようになっていますが、 どれをとっても原作に対する愛が無ければ、それは原作ファンにとっては駄作になり、 「黒歴史」になってしまいます。
もちろん原作ファンだけでは数字というものは取れないと思うので、新規ファンも獲得したいわけです。 すると、原作において深い意味をこめる部分などを簡略化し分かりやすくしてしまう可能性もあります。 そうなると賛否両論になります。デスノートなんかは(ちょっと論点は違えど)それに近いでしょうね。

僕の中で間違いなくこれはメディアミックスが成功している、と思えるのは、 最近いろいろ僕も伝えている『ハチミツとクローバー』であり、『涼宮ハルヒの憂鬱』であり、 そして『時をかける少女』です。この3つは原作に対する愛があります。
と言っても僕の場合は原作ファンであるのはハチクロだけです。 後者二つについてはメディアミックスされたものから入り込んだほうなので、 さっきの表現を使えば新規ファンのほうです。でも新規ファンでも、

「ああ、これを作った人は原作が好きなんだ」

というのがよく分かり、それが伝わってきます。それを感じ取れたからこそ後付のファンでも大いに嵌っていき、 原作を好きになることができると思うのです。ちなみに『NANA』も成功した作品だと思います。 あまり話題になりすぎなので見たことないけど。


これからもメディアミックスは(特に漫画をドラマ化、映画化する方面で)進んでいくと予想されますが、 特に監督にはこうした作品に対する愛を存分に発揮してもらいたいと思います。 ただ単に原作の人気があるから、話題性があるから、メディアミックスすれば勝手に原作ファンは着いてくるだろう、 何て考えでは正直アウトです。論外です。 愛があるからこそメディアミックスして多方面の人に見てもらいたいと思うわけで、 その感情を忘れたら、その時点で最後だと考えます。

原作ファンに応えられる作品を作ることは、製作者の原作に対する愛が必要であり、 その愛があれば自然と新たなファンも着いてくる。これが成功の手法だと思うのです。

今度ドラマ化される2タイトルについては、そこに注目して(時間があれば)見て行きたいと思います。 特にめぞん一刻は高橋留美子のみならず、恋愛漫画の超代表作ですしね。

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